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 そうですよね。ごくごく最近パラグライダーを始められたあなた。ここ最近のブログは何を言っているのだろう?大変失礼をいたしました。もちろん今週末のGPSセミナーではそんなビギナーの方大歓迎です!持っていない方も大歓迎です!使い方がわからない人も大歓迎です!貸し出し機材も若干用意があります!!ぜひ使ってみましょう。学びましょう。
 GPSとはなんだ?という話をはじめると、セミナー内容になってしまいます。ここではごくごく簡単な説明に止めます。パラグライダーのフライヤーは速度を知ることが重要です。それも地面に対する対地速度を知らなければなりません。パラグライダーフライヤーはこの対地速度を計測するためにGPSを所持しています。さらに、GPSは位置情報を記録することができます。現在のパラグライダーの競技会ではこのGPSを利用しています。パイロン(ターンポイント)と呼ばれる目標地点に到達できたのかどうか?その判定をGPSのトラックログを読み取ることで行っています。GPSはパラグライダーのフライトになくてはならない電子機器のひとつなんですね。
 このGPSは様々な用途に、様々な機種が登場して様々に使われています。登山はもちろん、ゴルフやランニングにも専用機種があります。釣りや写真などにも使用されています。ここではGPSを代表する製造メーカーであるGARMINをもとにGPSのお話を進めていくことにします。GARMINのシリーズは長くパラグライダーの世界でも使われてきました。非常に信頼性が高くシンプルでありながら操作性の高いインターフェースは愛用者がたくさんいます。
 写真
 上記の写真はGPSMAP62Sというモデルで現行の新しいモデルです。電子3軸コンパスや気圧高度計を内蔵した性能の高いモデルです。インターフェースにも大幅な変更が加えられて、より画面が見やすくなりました。さらに、ワイヤレス通信機能を備えていて、GPS相互間でデータのやり取りが可能です。まさに最新機種というべき最高の仕上がり!!なんですが、残念なことにパラグライダーの競技大会では使用できないモデルとなっています。(競技大会で使用できないということであって、パラグライダーのフライトに不向きであるという訳ではありません。むしろ、機体の向きに関わらず方位を指し示すことが出来るのはこのモデルぐらいで、パラグライダーのフライトに適したモデルです。)
 写真 (2)
 そこで、先代のモデルである、GPSMAP60CSXを大事に、大切に使用している方がたくさんいらっしゃいます。このモデルは現在のGPSに搭載されている先進機能のほとんどが実装されたエポックメイキング的なGPSでした。樹林帯や遮蔽物の影響を受けにくい、GPS電波の高感度受信チップを内蔵しています。それまでのGPSとは明らかに異なり、起動した数秒後には人工衛星を捕捉します。またその信号の精度も非常に高く、誤差はわずか数メートル程度。正確な表示であるということを、ポイントへのナビゲーションで実感します。昔のGPSを使用していた人ならば、だれでもその信号を受信する正確さ、早さ、受信できる環境を選ばないことに歓喜したモデルだったのです。もはや当たり前になってきたUSBポートを搭載するのもこの頃からでしょう。それまではシリアルポートやら変換ケーブルやらが必要で、グランボレにもその名残なのでしょう。今となっては使い道のわからないPCケーブルが山のようにありました。
 写真 (3)
 時代はさかのぼっておよそ10年ぐらい前のGPSです。これはマップデータがGPSに搭載されるようになった初期のモデルで、当時は革新的なGPSでした。マップがあることでクロスカントリーや大会でも土地に対する情報を得ることが出来ます。また大きな液晶は複数の情報を同時に表示させても困りません。このGPSを使用していた方は非常に多かったと思います。このモデルから進化する形で液晶がカラーディスプレイになったもの。あるいはSDカードスロットがついたモデル。USBポートがついたモデル。現在へと続くGPSの形が急速に作られていったように思います。また機器が大きくなってきたのでハーネスへの固定の方法も様変わりしていきます。このころから、それぞれをバリオホルダーやGPSホルダーという形でハーネスに固定するスタイルよりも、フライトデッキという計器や地図を見やすくするため、専用のコックピットというべき大きめのホルダーに、双方の機器をつけるパラグライダーのパイロットが増えてきました。いまでは普通の装備になっていますけど。
 当時は革新的だったGPSですが、やはり人工衛星を捕捉する早さ。信号受信の感度。それに伴う位置情報の正確さ、これらの性能は現在のモデルが格段に優れています。
 僕たちはGPSのウェイポイント(記録した位置情報のうち特定の場所を示す位置のこと)が文字化けしないために、主に英語版を使用しているのですが、日本語仕様に改められたGPSは日本の人工衛星「みちびき」に対応しているモデルもあります。日本人としてはちょっと使ってみたいところではあります。
(ただしぐっとお値段の方もあがります。)
 もちろん、新しいものがすべてではありませんが、ここまで機能に差がついてしまうとなるべく新しいGPSの良さをわかってもらいたい、そう思っています。
 フライトナビゲーターとの関連でお話しします。バリオメーターというパラグライダーに固有の機器と連動・連携することで得られる情報量は圧倒的にフライトナビゲーターの方が豊富で必要な情報が得られます。風向・風速にはじまって滑空比関連の情報などは、本来のGPSの機能からすれば必要ない情報かも知れません。そこにフライトナビゲーターがパラグライダーのフライトに特化した優位性が存在します。しかしながらGPSという道具として考えると、特定の場所を記憶させる、こんな当たり前のこともメニューの階層をたどっていって見つけるしかありません。これがGARMIN GPSだとボタンを一つ押すだけで完了します。もしもフライトナビゲーターでトレッキングに出かけたら?そんな風に思うこともあるのですが、その際に滑空比がどうの、到達高度がどうしたとかいちいち言われたら、せっかくの山の風景もおちおち楽しめないかもしれません。なにより大きさが、、、そう考えるとGARMINのオーバージャンルな機能はやっぱり優れていると言うべきですよね。
 今日はGPSの代名詞とも言うべきGARMINについて少し紹介しました。どんなGPSが良いか迷っています?いいですね。迷っているときが一番楽しいですから。関係ないや、そう思っていた人も少しは興味を持っていただけたでしょうか?興味を持った人も、そうでない人も。GPSを持っている人も持っていない人も。フライトナビゲーターが欲しい人もいらない人も。どんな方でも大歓迎です。土曜日のGPSセミナーでみなさんといろいろなお話ができたらいいなと思います。