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 前回までは気温減率について説明したので、今回は積雲の雲底高度について考えてみましょう。上の写真のような積雲ができているときは、たいてい地上からのサーマルによって積雲ができています。積雲は下から上がってくるサーマルの空気の塊に含まれる水蒸気が凝結して、目に見えるようになったものです。サーマルは前回説明したように、地表から離れて上昇するにつれて、乾燥断熱減率で100mにつき1℃の率で温度が低下していきます。
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 そして、このサーマルの空気中にある水蒸気が露点温度になると、水蒸気が気体から液体の状態に凝結します。この露点温度は湿球温度計という、温度計の先を水で浸したもので計ることができます。露点温度が分かっていれば、露点温度と気温の差が露点差といって、雲底高度を知る根拠になります。例えば現在気温が15℃で露点温度が4℃の場合、露点差は11℃です。この場合、11℃×100mで1100mまで上がったところで、積雲ができると予測できます。
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 しかし天気予報では、露点温度を表示することは少なく、相対湿度で表示されています。相対湿度とは、たとえば上記の現在気温15℃で露点温度4℃の場合、現在気温15℃の飽和水蒸気量を見ます。この飽和水蒸気量が上のグラフになります。15℃の空気は1圓△燭蝓10gほどの水蒸気を含むことができます。それに対し、露点温度4℃の空気は1圓△燭5gほどの水蒸気を含んで、飽和状態になった空気です。そうするとこの、10gの飽和水蒸気量に対し、5gの水蒸気を含んでいる状態は相対湿度では50%ということになります。このように、湿度が高い時は雲底が低く、湿度が低く乾燥した空気の時は雲底が高くなると予測することができます。
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 それでは、雲底高度を正確に予測するにはどのようにすればよいでしょうか?先日11月24日のソアリングセミナーの日は、SUNNYSPOTの予測では、雲底高度は1210m程度となっていました。11時ごろまでは確かに1200m程度でしたが、気温が上がってきたためか、12時ごろには1600m付近まで雲底が上がってきました。これは日照によって、地表の気温が上がり、露点差が大きくなったためと考えられます。雲底高度を正確に予測するためには、この日照による影響を考える必要があるので結構難しいものがあります。
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 この11月24日の場合、アメダスの前橋の気象データを見ると、最高気温は13時で15.9℃、相対湿度は50%となっています。この場合、先ほどの仮定とほぼ同じで露点温度が5℃、露点差が11℃と考えられます。そうすると、雲底高度が1100mと予測できます。前橋のアメダスの標高は112mですが、沼田のアメダスは439mです。327mほどの標高差があるわけですが、1500mから1600mの雲底とすると、だいたい400m〜500mの標高差が影響していると考えられます。標高の高いところから、出てくるサーマルは出発点が高いので、高いところまで到達するわけです。
 少しまた、小難しい話になってしまいましたが、天気予報で温度や湿度を見ると、その日の雲底高度がどのくらいかを予測することができます。