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パラシュートセミナーのご報告

3月21日月曜日、安全講習会の重要なテーマとして、パラシュートセミナーを開催しました。
この講習会は次の二つの目的を達成するために行いました。一つ目はパラシュートについて理解を深めること。なんとなく人づてに聞いたようなあやふやな知識ではなく、パラシュートについて正確な理解を深めます。二つ目は実際に開傘シミュレーションを体験することです。体育館にロープをセットして、大きな振り子を作りだし、回転する動きを足します。体験するとわかりますが、かなり気持ち悪いです。このような状況でもきちんと、パラシュートを引き出し、そして目標に向かって投げることが出来るのかを体験します。

1:理論セミナーの内容について
参加者の皆さんは、まずパラシュートの基本理論について講習をうけていただきました。
知っているようで知らないパラシュートの知識。一番怖いのは知っているつもりになっていることに気がつかないことです。そうならないために、実際におこったパラシュートを使用できなかった事例などを教材にして、なにが原因だったのかを学びます。その後は、どのようにパラシュートが開くのか、そしてパラグライダーというスカイスポーツにおけるパラシュートの問題点、開かなかったパラシュートはどのような対応で回復が可能かなどを学びました。

参加者の皆さんの意識は非常に高かったので、講習内容とはすこし逸れてしまいましたが、次のテーマについても講習をおこないました。それが、軽量パラシュートの機能的、構造的な問題点について。そして質問があった、さまざまな形のパラシュート、そのメリットとデメリットについてです。皆さんの関心の高さが伝わってきます。

2:開傘シミュレーション実践!
講習が終わったところで早々に、シミュレーション会場へと移動します。まあ、普通の体育館ですけど。まずは、最初は「レスキュー!」の合図と同時にできるだけ素早く引き出すトレーニングを行いました。次に目標となるカゴをおいて、その目標に向かって落ち着いてレスキューを投げる講習を実践しました。

3:実践!うまくいかなかったケース

こちらの参加者の1回目の挑戦です。動くこと、回り続けてしまうことに気をとられてしまい、パラシュートを引き出すことにかなり時間がかかっています。しかし、そのグリップを握ってアウターコンテナからインナーコンテナを引き出そうとする動きを確認したリガーが収納にある工夫を行いました。それが次の様子です。

4:実践!改善された引き出す動き

同じ参加者の2回目の挑戦です。レスキューグリップとインナーコンテナを調節し直しました。その結果として腕がより動くようになり、前回に比べてかなり短い時間で引き出すことに成功しました。そして、狙いをさだめてレスキューパラシュートを投げることが出来るようになっています。この方は女性で、小柄な体格です。そのため、腕の長さをより有効に活用できるように細部を調整する必要があったのです。

5:実践!より難易度をあげて挑戦しよう!
1回目が上手に出来た人はより難易度をあげて挑戦です。次のような想定を行いました。
条件その1「ライザーがツイストして右手が使えない。」
条件その2「しかもグライダーが自分の右方向に絡まっているため左側に投げなくてはならない」
最後の条件はこじつけに近いのですが、通常のセッティングではパラシュートグリップは右側に装着されていますので何とかして体を起こし、左手でグリップを引き出す必要があります。

この受講者の方は、体格にも恵まれ(背が高く手足が長い、いわゆる平成の体型というやつ)ていること、バランス感覚に優れ揺れを予測する能力に優れていることから一回目のトライでこの難しい課題を達成できたのです。

いかがでしたでしょうか。
パラシュートはお守りではありません。
いざというときには絶対に使用しなければならない必要不可欠なパラグライダーというスポーツの装備品です。

見て、識って、経験するといいます。

いざというときにその差が出てしまうのです。
パラグライダーというスポーツの特性と真摯に向き合ったことがあるひとならば、「いざそのとき」はいつくるのかだれにもわからないこと、「いざそのとき」をむかえ失敗したならば、この次は失敗しないようにと反省する次の機会を持てないことを識っていることでしょう。

またこの次もこのような講習会を行います。
できれば定期的に季節に一度は行いたいと考えています。
今回は残念ながら参加できなかった皆さんも、次回はぜひ参加してくださいね。