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メーカー公表滑空比10以上、ハイエンド EN-B クラスのパラグライダー


チェコの老舗パラグライダーメーカーであるMAC PARAのEN-BグライダーEDEN6に試乗させていただきました。MAC PARA社は東欧チェコ共和国の有名メーカーでかつて世界選手権やワールドカップでは目覚ましい活躍を見せていたメーカーです。特にぺトラ・クラウソバ、トーマス・ブラナー、グレゴリー・ブロンドーなどの活躍を思い出します。


MAC PARAは1998年ごろから日本にも紹介されたメーカーで、DIVA、EDEN、MAGUSなどというパラグライダーが有名でした。MAC PARAのグライダーの特徴としては、ブレークプレッシャーが軽く、コントロールのフィーリングが軽快で、ワールドカップだけでなく、アクロバットでも活躍しているという印象がありました。


今回のEDEN6はメーカーによると滑空比10以上、実測アスペクト5.91でEN-Bクラスの中でもハイエンドに位置するグライダーであり、クロスカントリーにも十分な性能を持つといわれています。今回はEDEN6のサイズ26の適正重量78〜100圓紡个掘⊃燭鹵罎90堋度で試乗させていただきました。


図1

EDEN6 の構造


EDEN6を広げてみると、実測アスペクト5.91で投影アスペクト5.11と最近のEN−Bクラスにしてはハイアスペクトですが、フライト中見上げてみるとさほどアスペクトは大きく感じません。平面形は後退翼で翼端にアーチが強くかかり、旋回のフィーリングを意識した作りであることがわかります。後退翼とは翼の翼端部を後方にカーブさせることで、ヨーイングやローリングからの安定効果を狙っていると考えられますが、EDEN6のシャープな翼端の作りは、素早くロールを起こし旋回の機敏さを狙っているものと考えられます。


MAC PARAもヨーロッパメーカーの流れに乗り、ナイロンロッドで段差のあるシャークノーズ型のエアインテークを採用しています。これら新しい3Dシェイプ技術により、MAC PARAはEN-CのELANから軽く、より安定した立ち上げ特性と手に入れたと述べています。


EDEN6をフライト中に見上げるとほぼ完全な3列ライン構造で、上記の後退翼と翼端のアーチが目立ちます。ライザーやラインの作りもシンプルで特に被覆のついた色分けされたボトムラインは扱いやすく好感が持てます。トレーリングエッジにはミニリブか細かく配置され、翼内部でも3Dシェイプのブラッシュアップを行っていることが分かります。


試乗フィーリング


EDEN6の立ち上がりは、MAC PARA社のコメント通り、軽くスムーズに上がってきます。むしろ最近のグライダーにしては、やや前にシュートしそうな傾向で、早めにブレーキングして頭上安定してあげる必要を感じます。ただし、もう一つの特徴としてグライダーが翼短部分に引っ張られるのか、横風を受けたときなどロール方向に傾く時があるので、風向風速には注意する必要があります。


フライトに入ってみると、EDEN6はEN-Bクラスらしく浮きもよく、旋回も機敏なフィーリングです。特に後退翼のためか、センタリングに入ると斜め後ろに引っ張られるように小さい半径でクイックに旋回することができます。逆に言えば、NOVAのION4などは翼が前に出ていこうとするのに対し、EDEN6は同じブレークストロークで旋回を続けるとサーマルの中でより小さく回ろうとするような傾向があります。私のフィーリングとしてはセンタリング中にコアを確実にサーチしようと思うと、旋回内側のブレークストロークを時折戻して旋回半径を大きくするようにしてセンタリングを修正した方がよいように感じました。


サーマルからサーマルへの移動では20〜30%程度アクセルを踏んだ方が効率がよいように感じます。アクセルを踏まなくても時速30卍度の対気速度は出ているし、滑空比もよいので特段踏まなくてもよいのですが、少しアクセルを踏んだ方が滑空比を落とさずスピーディーに移動できます。一度アクセル50%程度使っている最中に、片翼を50%ほどつぶされましたが、機敏に旋回に入る傾向もなく穏やかに回復できました。


ブレークコードのフィーリングは低速もよくきき、ランディングアプローチも比較的楽に感じます。ION4やMENTOR4の場合、滑空比がよくサーマルに乗るとどんどん前に出ていくので、斜面のランディングに正確にランディングするのは難しく感じます。EDEN6はそれらに比べると滑空比はあるものの、低速でのコントロールが容易に感じました。


どんなパラグライダーのパイロットに向いているか


EDEN6はMAC PARAではハイエンドBクラスのパラグライダーとコメントしていますが、NOVAのION4やOZONEのRUSH4のような低アスペクトでも高性能を出すという極端なほどの先進性は感じません。どちらかというと乗っているフィーリングもクラシックで懐かしいん感じを覚えます。おそらくOZONEのR11がでた2011年ごろから、パラグライダーの翼断面形は驚くほど進化し、低アスペクトでも高い滑空比を実現するようになりました。


MAC PARAはそういった意味では、少し慎重にこの高性能化の流れに対して既存のパラグライダーフィーリングを残しつつ歩んでいるように感じます。EDEN6はBクラスの中でも高性能過ぎない安心感を求める人やパイロットの方でCクラスからの安心感アップを求める人にお勧めできます。また、3機目程度でステップアップする方にもお勧めできると思いますが、ION4などに比べるとアスペクトが高いので、立ち上げのトレーニングはしっかりしておく必要があります。


全体としてみるとEDEN6はEN-Bクラスとしては、アスペクト比の高いほうですが、フィーリングとしては安心感が高く、乗りやすいグライダーといえます。特にスピードが速くなりすぎず、低速がききやすいという点で、アスペクトが高い割に乗りやすいパラグライダーといえます。