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前回その11までは、南東風が強めの状況でのランディングアプローチの一つの方法として、ダイレクトベースの方法について考えてみました。今回は、ダイレクトベースアプローチのやり方や注意点について詳しく考えてみましょう。
ダイレクトベース4

ダイレクトベースアプローチは風が強い時に偏流飛行をとりながらアプローチすることにより、滑空比の良い状態を保ちながらランディング場にアプローチを合わせやすくなるという利点があります。その一方、最後まで偏流飛行をとることで対地速度が速くなる可能性があります。偏流飛行の場合の滑空比と対地速度を考えてみましょう。
偏流飛行2

上図のように仮に滑空比6、対気速度6m/sのグライダーで90度の風に対して偏流飛行をとったすると、風速に変わらず、対地速度があまり小さくならないことがわかります。風速4m/s程度の強い風を受けていたとしても、偏流飛行をとっている間は、対地速度4.5m/s、対地滑空比4.5程度を保つことができます。
偏流飛行3

しかしこのことは逆に言えば、偏流飛行のまま降りると対地速度が速くなり、クラッシュのリスクも高いことがわかります。偏流飛行から最後は風向きに正対させるようにすれば、たとえ2m/s程度の弱風でも対地速度を4m/sに減少させることができ、クラッシュのリスクを低減させることができます。上図のように、風に正対させないまでも45°程度まで風向きに近づけることで対地速度は減少することがわかります。

このように考えてみると、ランディングのタッチダウンでクラッシュするリスクを低減するためには、風速が2m/s程度でもある時は、向かい風に正対させたほうがリスクは少ないことがわかります。そうすると、低い高度まで偏流飛行でアプローチするダイレクトベースはより高度な操縦技術を必要とすることが分かります。特に最後に向かい風に向けていく高度判断、正確な旋回技術が必要となります。

少し話が長くなってきましたので、次回その13では基本に返って向かい風に向けて、リスクなくアプローチするにはどの程度の高さ判断が必要なのかを考えてみましょう。