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フライトプランの作り方、前回その1では気象情報の予測に関して考えてみました。今回は、リスク予知、
フライト目標の立て方という観点から、フライトプランの作り方を考えてみましょう。

上の動画は、プライマリーコースのHさんのランディングです。合計フライト本数は60本程度、経験年数は
4年ほどあり、ランディングアプローチは通常の風であればほとんど自己判断ができようになってきました。
ただ、上の動画のようにピッチ、ロールの揺れが少し出ています。このランディング自体には大きな問題はありませんが、リスク予知という観点で下のSHELLモデルに沿って考えてみましょう。
SHELLモデル

SHELLモデルというのは上の図のようなもので、医療現場などのインシデント分析に使われる手法です。ソフト、ハード、環境、本人、周囲の人といった要因別に分析することにより、インシデントの予知、予防がしやすくなります。

上の動画は、同じくHさんが南東の風2m程度でランディングアプローチをしているものです。昨年の11月なので、経験年数や技能レベルは現在とさほど大きくは変わらないと考えられます。そして、この動画でも同じようにピッチ、ロールが最後に揺れてしまう傾向が見受けられます。
 これを上記SHELLモデルに沿って、分析してみると。S:ソフトウエア、講習カリキュラムや教え方に見落としがあったのではないか。H:ハードウエア、グライダーやハーネスなどの機材にくせや問題があったのではないか。E:環境、風のコンディションやランディングの条件が難しかったのではないか。L:本人、本人の心理的なもの、身体的なものが影響していたのではないか。L:周囲の人、インストラクターのアドバイスなどが影響を与えたのではないか。
 上記の項目にはどれも、多少なりとも原因がありそうですが、最も考えられる原因はこの場合、地上近くになってからスタンディングを取った状態で方向修正をしようとしすぎて左右のブレークを交互に引いている感じがあります。というようなわけでこの事例の場合、すぐに改善できる点としてはS:ソフトウエアで教え方を変えて低高度では遠くに目線を取って、直線飛行を取り、ロールを揺らさないようにするというのが有効かと考えます。

今回もフライトプランとしては散文的でしたが、講習カリキュラム中のスクール生の方はインストラクターの教え方、現状のフライト技術を見極めるために、SHELLモデルを使って分析するのも有効かと思います。