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フライトプランの作り方、前回その2ではSHELLモデルに基づくリスクの予測を考えてみました。今回は、スタートチェックについて考えてみましょう。
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JPAのスタートチェックはテイクオフ前の最終チェックを行うものです。項目は、パイロット、ライン、キャノピー、空域、風の5項目を順に行います。プレフライトチェックは当然この前に、手順通り準備を進めながらチェックをする必要があります。スタートチェックはそれを補完し、自分の身体の周囲から風の状況などを確認するためのものです。
 
項目別にみてみると、パイロットはハーネスのベルト、無線機、ヘルメットなど。ラインはブレークラインのからみ、アクセルの付け忘れなど。キャノピーは、キャノピーが風向きに合わせて広がっているか。空域は周囲のグライダーの接近など。風は、風向風速、風の安定度など。 
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どれもプレフライトチェックで確実に準備しておくことが重要ですが、これらの項目の中で忘れるとリスクが高いのはハーネスのベルト、無線機、ブレークラインの手元でのからみ、周囲のグライダー、風向風速などです。これらを忘れずに最終チェックするという意味で、スタートチェックがあります。

パラグライダーは一度テイクオフしてしまうと、ランディングするまで止まることができません。フライトプランは当然、テイクオフからランディングまで予定外の事態になった時まで含めて考える必要があります。スタートチェックはそのような意味で、テイクオフ前にもう一度自分の装備や周囲の状況を確認するためのものです。
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エリアによってはクロスチェックを推奨しているエリアもありますが、パイロットの自己責任でプレフライトチェックを
行った後、クロスチェックはそれをサポートする程度のものです。そのようなわけで、スタートチェックを確実に行うように習慣づけることが重要です。特に、テイクオフ後にブレークラインが絡まっていた、ハーネスのどこかが外れていたなどのトラブルを経験したことがある方は、自分でもプレフライトチェックとスタートチェックの手順をよく見直してみましょう。