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 パラグライダーの航空力学その4、今回は旋回の力学について考えてみましょう。
旋回1
 
 パラグライダーで旋回をする場合は、上の図のように旋回したい側のブレークコードを30冂度引くと、内側にバンクがかかって旋回が始まります。パラグライダーのブレークコードの片側を引くと、片側の揚力と抗力が増大します。これにより、内側の翼が速度を落とし、内側へ向くヨーイングの動きが起こります。内翼の揚力も増大しますが、パラグライダーの翼はアーチが深くかかっているため、翼の揚力を内側に向ける方向に働き、ブレークコードを引いただけでも内側にロールがかかるようになります。
旋回2

 ロールがかかりにくいグライダーの場合は、ハーネスの中でパイロットが内翼側に体重移動をすることにより、ロールがかかりやすくなります。このため、旋回する場合には体重移動をしてからブレークを引くのが一般的です。グライダーの旋回特性がわかってくると、体重移動をしないでブレークを引いたり、外翼方向に体重移動をしたまま内側のブレークを引くような場合もあります。自分のグライダーの旋回特性を把握することは重要なことです。
スパイラル1

 パラグライダーはバンクをかけていくと、遠心力がかかって、対気速度と沈下速度が増していきます。パラグライダーは比較的バンクをかけなくても旋回ができますが、小回りをするためにはある程度のバンクが必要になります。高度処理やサーマルソアリングのような旋回半径と沈下速度の兼ね合いが必要な場合には、バンク角が20度から30度程度が適切と言われます。バンク角が45度程度になると、対気速度と沈下速度が増え、遠心力によってスパイラルという加速した旋回状態に入ってきます。このためもあり、バンクのかかった旋回では加速しすぎないように外翼のブレークを10冂度引いてコントロールする必要が出てきます。
 これをアウトブレークといいますが、特にスパイラルやフィギアエイト、サーマルソアリングなど旋回のコントロールが必要な場面では重要になってきます。旋回でバンクがかかり90度程度向きが変わってきたら、アウトブレークを引き、バンク一定、速度一定で沈下の少ない旋回を練習すると良いでしょう。