カテゴリ

カテゴリ:テクニカル・セッション

緊急ランディングのアプローチ その4

カテゴリ:
緊急ランディングのアプローチ、その4は戸神山の南の麓にある、A10戸神山ランディングのご紹介です。
TOGAMI12

戸神山ランディングはその名の通り、戸神山のすぐ南の麓にあり、戸神山で粘っても上げられないときなどに使える場所です。ここはグランボレの公式ランディングなので、通年降りることができます。
togami10

この場所は、上図のように戸神山のすぐ南のふもとにある水田地帯で、風はだいたい南東から吹いてくることが多いのですが、平らな水田地帯は東西に開けており、南側に少し盛り上がった林があるので、南東の風が強めの時は風が多少巻き込んで入る可能性があります。
TOGAMI14

しかし、南東の風だとしても水田地帯の平らな部分である東西方向を長くファイナルに取る形にして、上図のようなアプローチをとるのがお勧めです。春や秋は水田も空いているので、スペースも広く取れます。よほど南東の風が強めで荒れていそうなときは、高度があればもう少し南側の水田地帯などが空いていればそちらに降りることができます。いずれにしても、戸神山アウト&リターンをする予定の方は事前にこの周辺の下見をしていくことをお勧めします。

緊急ランディングのアプローチ その3

カテゴリ:
緊急ランディングのアプローチ、その3はA12の石墨町ランディングのご紹介をします。石墨町ランディングは三峰山と戸神山の間の谷にあり、戸神山からかえって来るときなどに降りやすい場所です。
ISHI1

石墨町ランディングは6枚ほどに分かれた、段差のある休耕田になっています。南北は80m、東西は40mほどですが、段差のほかに、東西の道路沿いに電線が走っているので、注意が必要です。東西はほぼ電線に挟まれている状況です。
ISHI4
togami10

このため、この石墨町ランディングのアプローチは下図のように南北方向にアプローチをとるのが一般的です。東西方向から風が吹くときはどうなのかという疑問がでそうですが、幸いこの場所は南北に延びる谷なので谷風で南風か北風に安定することがほとんどです。サーマルコンディションの場合はほとんど、南風のことが多いです。
ISHI2

この石墨町ランディングは前述のように、戸神山アウト&リターンの際や三峰山の東側で低くなったときなどに使用できます。ただし、電線や段差などかなりプレッシャーもある場所なので、事前にインストラクターに相談して下見をしておきましょう。

緊急ランディングのアプローチ その2

カテゴリ:
グランボレの緊急ランディングのアプローチ方法のその2、今回は桃園ランディングのアプローチを紹介します。
馬場東4

桃園ランディングは上図のように、グランボレのメインランディングの1.4kmほど西に位置しています。この位置は三峰山の北の伐採地など山の北側で低くなった場合や、西方向の伊賀野や上毛高原駅方面に行って、低くなったときなどに降りやすい位置になります。
桃園1
桃園3

桃園ランディングは上図のように東西に長い牧草地が2枚、南北に並んでいる形になっています。おおむね80m四角くらいの正方形といえます。風はおおむね南東から吹いてくることが多いので、下図のように東西方向にファイナルアプローチをとるような形が一般的です。
桃園2

桃園ランディングの注意点としては、牧草地の4辺がすべて土手になっていますので土手に注意すること、南東の風が強めの場合、風上側の尾根の影響で風向きが不安定になることがあるので、風向風速の変化に注意が必要です。

総論として桃園ランディングは、伐採地や伊賀野など遠くに行って低くなった時など、使える場面はありますが、風向風速が不安定になることも多いので、事前に下見をしておき、不安定な時は特に注意してアプローチしましょう。特に風上側に電柱などがあるので、オーバーランしないように注意しましょう。

緊急ランディングのアプローチ その1

カテゴリ:
グランボレではメインランディング以外にも、いくつかの緊急ランディング場を整備しています。クロスカントリーの練習や同時進入の対応策としても使用できますが、そのアプローチ方法などを解説していきたいと思います。今回は馬場東ランディングです。
馬場東5


馬場東ランディングは写真のように東西に150mほどの、牧草地で3枚に分かれています。ここは馬場さんが管理している牧草地で、牧草が伸びている場合には降りられませんが、メインランディングからも近く、メインランディングが同時進入の場合や、沖に出して低くなったときなどにおりやすい場所です。
馬場東4

同じような位置関係にA02のサブランディングがありますが、ここの場合は南北に100m程度ですが、南北に傾斜しているため、南風の場合伸びやすくなっています。馬場東ランディングの場合、南東の風であれば東西方向に、アプローチを長くとれるためおりやすくなっています。
馬場東7

馬場東ランディングで南東の風の場合、よくあるアプローチ方法は上の図のようになります。風下側で8の字ターンで高度処理を行い、最後に右に90度ターンを行うダイレクトベースの形でアプローチします。降りるターゲットとしては、手前側の2枚、西側に位置する2枚の牧草地を狙うのがよいでしょう。
IMG_3844

注意点としては、3枚の牧草地の間は土手の段差や小さい溝があります。土手は特に草が伸びていると高さがわかりにくくなりますので、事前の下見をおすすめします。草が伸びている場合は降りられませんが、パイロット以上の方、エキスパートコースの方は機会のあるときにインストラクターに相談して練習してみましょう。



ランディングアプローチの技術 その15

カテゴリ:
前回その14までは、南東風でランディングアプローチする際に、斜面の地形に合わせてどの程度の高さを目安にしてアプローチするのかを考えてみました。またこの場合、下り斜面にアプローチしていくので、滑空比を抑えることが重要ということを学びました。今回はこの滑空比を抑える方法、その練習方法について考えてみましょう。
ランディング13

上の図のように、上段の斜面からターゲットは水平距離160mで高度差32mで、滑空比5程度になります。この上段から飛んだ時にターゲットにおろせる程度の滑空比に調整できれば、この下り坂のランディングアプローチは格段にやりやすくなります。

上の動画は最良滑空比8.4程度あるといわれる、クラスBのグライダーで岩村が試みに上段からフライトして直線飛行でターゲットに合わせる滑空比に調整してみました。このときは、サーマルコンディションで南風3m程度。ランディングにもサーマルがでて、5〜10m程度吹き上げられる場面もあったので、純粋に滑空比を計測することができるコンディションではありませんでしたが、次のようなことが分かります。

1.滑空比を小さくするためには、スタンディングをとり、向かい風に合わせ、ブレークを抑える必要がある。
2.160mの直線飛行を40秒程度でフライトしているので、毎秒3.2m程度の平均対地速度でフライトしている。仮に風速を毎秒3〜4m程度とすると、対気速度は毎秒6.2〜7.2m程度で時速22〜26卍度となります。

対気速度22kmというとかなりストールポイントに近づいてきますので、このスピードを抑える方法については慎重に考えて練習する必要があります。練習の順序としては、まずスタンディングポジションをしっかりと安定させる方法をシミュレーターで練習し、その後中段、上段からのフライトなどを通して滑空比の調整、スピードコントロールの方法を練習していくのがよいと考えます。

スタンディングとスピードコントロールをつかった滑空比調整の効果については、下の2つの動画を比べてみるとよくわかります。この2つはグライダー性能は多少違いますが、スタンディングをしてスピードコントロールをしているか否かでちょうど滑空比5から8程度の違いが出ていると考えられます。




滑空比が高くても、地面近くでも正確なコントロールができるパイロットは調整して降りることができますが、速い速度でクラッシュするリスクを考えると、滑空比を下げ、速度を抑えて、スタンディングでアプローチするというのがリスクが低くできる、重要な方法論です。

それでは、次回その16ではスタンディングやスピードコントロールの練習方法を考えてみましょう。

ランディングアプローチの技術 その14

カテゴリ:
前回その13までは南東の風でのランディングアプローチについて、ランディングの地形にあわせてどのような高度判断で進入するのが良いのかを考えてみました。今回は、風向風速と滑空比に応じてどのような高さ判断が良いのか、地形の低いところに合わせる方法について考えてみましょう。
ランディング11

上の図のように、ランディングに対して滑空比5で風の影響を受けずに進入してくるとすると、通常の場周アプローチでダウンウインドに入るには70m程度の高さが必要になります。高度が低めでダイレクトベースの要領で進入するとすれば、30m程度の高さでよいことになります。ただしこのダイレクトベースの場合、前述のように南東風が影響すると特に対地速度が速くなり、追い風で登り斜面に降りる確率が高くなります。そのため、慣れない人は特に高めの70m程度で進入するのがよいと考えられます。
ランディング4

上の図のように、滑空比が高い最近のグライダーで8程度の対気滑空比がある場合は、伸びやすくなるため高度を低めに下げて進入する必要があります。特に注目すべきは、上段と中段の間にベースレグに入るときで、対地高度18m程度というと上段よりも高度を下げ、斜面に近い地面すれすれを狙うような進入になってきます。こうしてみると、場周アプローチでリスクなく進入するためには、無風時は特に滑空比を抑えてダウンウインドに入ることが重要であることが分かります。
ランディング2

滑空比が高くても風向きに正対させればよいのではないか?というご意見がありそうなので、あくまで水平成分の南風が影響した場合に進入する高さはどうなるかを考えたのが上の図です。これでもダウンウインドに入る高さは26.7m程度と低めになりますし、また南風の時は南斜面の前側は上昇風になってくるので、滑空比が高いとさらに高度処理が必要になってきます。やはり結論としては、滑空比を5程度まで抑え、高めに入っても伸びにくい状態を作ってから、ダウンウインドに入るのがよいことになります。

それでは、次回その15では滑空比を抑える方法とその練習方法について考えてみましょう。

ランディングアプローチの技術 その13

カテゴリ:
前回その12まではランディングに低めに進入する方法として、ダイレクトベースアプローチについて考えてみました。今回はランディングアプローチの基本に返って、右回り場周アプローチで進入する場合の、滑空比や風向風速による高さについて考えてみましょう。
ランディング3

上図のように滑空比5程度で右回り場周でアプローチするとして、上昇風などの影響を全く受けないと仮定すると、上図のように高度は変化していきます。ダウンウインドに進入する高さは70m、ベースレグに進入するときは30m、ファイナルに進入するときは20mとなります。注意点としては、この高さはターゲットに対する高さであって、斜面に対しての対地高度ではないことに注意が必要です。
ポーラーカーブ

また滑空比5でランディングアプローチするということは、最近の滑空性能が高いグライダーでは最良滑空比が8程度はあると考えられます。上図のように最良滑空比8.5のグライダーでは滑空比を5程度まで下げるには、対気速度を25卍度にブレークで抑え、スタンディングポジションを取って空気抵抗を増やす必要があると考えられます。
ランディング9

グランボレのランディングというのは、上図のように結構な斜度と高低差があります。そのためベースレグに入る高さ30mというのは、実はランディングの最上部、上段の高さとほとんど同じになってしまいます。ということはベースレグに入る場合、上段や中段付近など地形の盛り上がっている部分や樹木の高い部分に注意しながら、うまく地形の低いところを狙って進入していく必要があります。
ランディング10

これを地上から見たイメージで見ると、上図のようになります。ベースレグに入る高さ30mは上段の高さとほとんど同じになりますので、上段と中段の間で中段の後ろの尾根をかすめるように入ってくる高さということになります。
ランディング11

ちょっと読みづらいですが、この滑空比5の場合のターゲットに対する対地高度と地形の高さを見てみると上図のようになります。こうしてみるとグランボレのランディングの場合は、地形と風向風速をよく見て地形の低いところに合わせていくという技術が必要であるということが分かります。

それでは、次回その14では地形や風向風速を見て、地形の低いところに合わせる技術について考えてみましょう。

ランディングアプローチの技術 その12

カテゴリ:
前回その11までは、南東風が強めの状況でのランディングアプローチの一つの方法として、ダイレクトベースの方法について考えてみました。今回は、ダイレクトベースアプローチのやり方や注意点について詳しく考えてみましょう。
ダイレクトベース4

ダイレクトベースアプローチは風が強い時に偏流飛行をとりながらアプローチすることにより、滑空比の良い状態を保ちながらランディング場にアプローチを合わせやすくなるという利点があります。その一方、最後まで偏流飛行をとることで対地速度が速くなる可能性があります。偏流飛行の場合の滑空比と対地速度を考えてみましょう。
偏流飛行2

上図のように仮に滑空比6、対気速度6m/sのグライダーで90度の風に対して偏流飛行をとったすると、風速に変わらず、対地速度があまり小さくならないことがわかります。風速4m/s程度の強い風を受けていたとしても、偏流飛行をとっている間は、対地速度4.5m/s、対地滑空比4.5程度を保つことができます。
偏流飛行3

しかしこのことは逆に言えば、偏流飛行のまま降りると対地速度が速くなり、クラッシュのリスクも高いことがわかります。偏流飛行から最後は風向きに正対させるようにすれば、たとえ2m/s程度の弱風でも対地速度を4m/sに減少させることができ、クラッシュのリスクを低減させることができます。上図のように、風に正対させないまでも45°程度まで風向きに近づけることで対地速度は減少することがわかります。

このように考えてみると、ランディングのタッチダウンでクラッシュするリスクを低減するためには、風速が2m/s程度でもある時は、向かい風に正対させたほうがリスクは少ないことがわかります。そうすると、低い高度まで偏流飛行でアプローチするダイレクトベースはより高度な操縦技術を必要とすることが分かります。特に最後に向かい風に向けていく高度判断、正確な旋回技術が必要となります。

少し話が長くなってきましたので、次回その13では基本に返って向かい風に向けて、リスクなくアプローチするにはどの程度の高さ判断が必要なのかを考えてみましょう。

ランディングアプローチの技術 その11

カテゴリ:
前回のブログその10までは、南東風が強めでウインドグラジェントの発生している状況に対して、右回り場周アプローチの変形で、ダイレクトベースアプローチをする方法を考えました。今回は動画を交えて、ダイレクトベースアプローチのやり方や注意点を考えてみましょう。


上の動画は南東から東の風4m程度でランディングアプローチをしてきて、最後にS字ターンをしたところで、地表3m程度でウインドグラジェントの影響を受けて急激に沈下している様子がわかります。この場合、東風に北東の下降気流が混じってより、沈下しやすくなっているとも考えられますが、ターンやブレーク操作を繰り返していると翼上面の気流が剥離してより沈下しやすくなると考えられます。この点、ダイレクトベースアプローチではターンの回数やブレーク操作を減らすことができます。


上の動画は南東の風3m程度で、比較的ウインドグラジェントの影響の少ない時ではありますが、同じパイロットが右回り場周のダイレクトベースアプローチでランディングしてきています。このアプローチ方法だと、ターンを緩やかな右旋回だけで、ピッチングを起こす可能性が低く、ウインドグラジェントによる急激な沈下を避けやすくなります。ただし、このダイレクトベースアプローチには通常の場周アプローチに比べて、風向きに合わせにくいなどのリスクもあります。このダイレクトベースの注意点について考えてみましょう。

ダイレクトベース4

ダイレクトベースの場合の注意点としては、下記があげられます。

1.風向きに正対しきれず、対地速度が速くなることがある。
2.ウインドジェントで風速が変化した場合に、対地速度が速くなる。
3.偏流飛行にしても、風向きに正対するにしても正確な操縦技術が必要になる。

以上、ダイレクトベースに注意点を挙げてみました。詳しい解説は次回のブログでしていきたいと思いますが、ダイレクトベースは特に速い速度で着地する可能性があるという点に注意が必要です。上の動画を参考にして、練習は無理なくインストラクターに相談の上で進めていきましょう。





ランディングアプローチの技術 その10

カテゴリ:
 前回その9までは、グランボレのメインランディングで南東の風が強めの時に、地表付近で風速が弱まるウインドグラジェントの影響によって、ランディング付近で失速気味に沈下しやすくなるので、その対処法について考えました。

1.スタンディングをしっかりと安定させる。
2.ブレークを引きすぎないようにし、対気速度を維持する。
3.ブレークを引きすぎないように、低めに高度を合わせて進入する。

今回はこのうちの2と3の対策について考えてみましょう。

対気速度を維持してアプローチするほうが、高度が高めで入ってスピードを落としてアプローチするよりも、失速のリスクを減らすことができます。しかしそうすると、高度を低めに合わせてアプローチするという方法論が必要になってきます。このあたりを詳しく考えてみましょう。

オーバープル方式フレアー方式ダイレクトベース3
ダイレクトベース4
左の図のように、高度を高めでファイナルに入ってスピードを落としながら、徐々にブレーキを引いていく方式をオーバープル方式といいます。この方式ではウインドグラジェントの影響が少なく、程よく風が安定しているときや下り坂で伸びていきやすい時は有効な方法といえますが、向かい風でウインドグラジェントにあたると失速しやすくなるといえます。

下の図のフレアー方式では最後まである程度スピードを維持し、最後にブレーキをかけることで速度のエネルギーを上昇のエネルギーに変えて、着地の衝撃を和らげることができます。ウインドグラジェントの影響がある場合は、ある程度スピードを維持してこのフレアー方式に近い形の方がよいと考えられます。

もちろん、スタンディングをとって空気抵抗を増やし、ブレークでもある程度スピードを抑えた方が滑空比を小さくして、伸びにくくすることができるのですが、ウインドグラジェントの影響があるときは、対気速度を抑えすぎてはいけません。ある程度は対気速度を維持してアプローチします。

3番目の図のように、8の字ターンから直接ベースレグに進入する方法をダイレクトベースと呼んでいます。ダイレクトベースの最大のメリットは風速が強めの際に、偏流飛行でベースレグをとりながらランディングからの距離を一定に保ちながら、低めに高度を合わせてもいつでもランディングに進入することができるという点です。

また4番目の図のように、このダイレクトベースで高度を低めに合わせてくれば、緩やかなターンで最後までアプローチを組み立てることができます。また、ウインドグラジェントで風速が弱まったとしても、偏流飛行をとっているので、極端に速い対地速度になるリスクを回避することができます。極論すれば、偏流飛行をとっていれば、最後は向かい風に向けきれなくてもさほどリスクはないことになります。

このようにダイレクトベースは風速が強めでウインドグラジェントの影響がある時にとてもメリットのあるアプローチ方法といえます。
少し長くなりましたので、次回は動画などを交えていろいろなアプローチ方法を検討してみましょう。




このページのトップヘ

見出し画像
×