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パラグライダーの航空力学 その5

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パラグライダーの航空力学その5、今回はパラグライダーにかかる抗力の種類について考えてみましょう。
抗力1

パラグライダーにかかる抗力は、翼にかかる抗力、ラインにかかる抗力、パイロットとハーネスにかかる抗力などがあります。航空力学でみると、上の図のように抗力の発生原因で分類すると、パラグライダーの場合は有害抗力と誘導抗力の2つに分類できます。
抗力2

有害抗力というのはいわゆる形状抗力ですが、上の図のように断面が円柱状の場合、流れの後方にカルマン渦という渦ができることによって抗力が増大します。この抗力は同じ断面積で見ると、流線形の物体の8倍程度になると言われています。パラグライダーではラインやパイロットの体が形状抗力を起こしやすくなります。ポッドハーネスによって、体を流線形に近づけることによって、形状抗力は減らすことができます。逆に、スタンディングポジションをとると、体の断面積が増えて、形状抗力は増大することになります。
抗力5

誘導抗力というのは、上の図のように翼端部分に下面から上面に流れる渦ができることによって、抗力が発生するものです。誘導抗力を減らすためには、翼のアスペクト比を上げて翼端渦の影響を減らすという手法があります。しかし、アスペクト比があがるとつぶれた場合などの安定性が悪くなるため、いわゆる上級機という形になります。
抗力4

総合するとパラグライダーの抗力は主に有害抗力と誘導抗力の2種類ですが、飛んでから変えられるのはパイロットの姿勢とブレークコードの迎え角操作くらいです。抗力を減らして滑空比を大きくする、抗力を増大させて滑空比を小さくするといった操作でフライトをコントロールできます。また、グライダーやハーネスの選定、セッティングによって、ある程度滑空比も変わることがわかります。

パラグライダーの航空力学 その4

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 パラグライダーの航空力学その4、今回は旋回の力学について考えてみましょう。
旋回1
 
 パラグライダーで旋回をする場合は、上の図のように旋回したい側のブレークコードを30冂度引くと、内側にバンクがかかって旋回が始まります。パラグライダーのブレークコードの片側を引くと、片側の揚力と抗力が増大します。これにより、内側の翼が速度を落とし、内側へ向くヨーイングの動きが起こります。内翼の揚力も増大しますが、パラグライダーの翼はアーチが深くかかっているため、翼の揚力を内側に向ける方向に働き、ブレークコードを引いただけでも内側にロールがかかるようになります。
旋回2

 ロールがかかりにくいグライダーの場合は、ハーネスの中でパイロットが内翼側に体重移動をすることにより、ロールがかかりやすくなります。このため、旋回する場合には体重移動をしてからブレークを引くのが一般的です。グライダーの旋回特性がわかってくると、体重移動をしないでブレークを引いたり、外翼方向に体重移動をしたまま内側のブレークを引くような場合もあります。自分のグライダーの旋回特性を把握することは重要なことです。
スパイラル1

 パラグライダーはバンクをかけていくと、遠心力がかかって、対気速度と沈下速度が増していきます。パラグライダーは比較的バンクをかけなくても旋回ができますが、小回りをするためにはある程度のバンクが必要になります。高度処理やサーマルソアリングのような旋回半径と沈下速度の兼ね合いが必要な場合には、バンク角が20度から30度程度が適切と言われます。バンク角が45度程度になると、対気速度と沈下速度が増え、遠心力によってスパイラルという加速した旋回状態に入ってきます。このためもあり、バンクのかかった旋回では加速しすぎないように外翼のブレークを10冂度引いてコントロールする必要が出てきます。
 これをアウトブレークといいますが、特にスパイラルやフィギアエイト、サーマルソアリングなど旋回のコントロールが必要な場面では重要になってきます。旋回でバンクがかかり90度程度向きが変わってきたら、アウトブレークを引き、バンク一定、速度一定で沈下の少ない旋回を練習すると良いでしょう。

パラグライダーの航空力学 その3

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 パラグライダーの航空力学その3、今回は翼の迎え角を変えることによる影響、特にポーラーカーブについて考えてみましょう。
揚力、抗力

 一般的な翼は迎え角を変化させると、上の図のように揚力と抗力の比率が変化します。迎え角が下がると抗力は減少し、揚力も減少します。迎え角が上がると、抗力は増大し、揚力も増大しますが、失速角といって、おおむね迎え角15度程度になると、揚力が急激に減少します。
失速

 失速角になると、上の図のように翼上面に空気の流れが剥離し、乱流を生じるようになります。このため、空気抵抗が大きくなり、翼が前に進まなくなって、下方向に沈下するようになります。パラグライダーでは、フルストールといって、ブレークコードを大きく引いて失速した場合は、翼から空気が抜けて大きく沈下していきます。ブレークコードを引きすぎないようにすることも重要ですが、失速は迎え角が大きくなることによって発生するということに注意が必要です。つまり、ブレークコードを引く量だけではなく翼の迎え角が大きいと失速する場合があるということです。
ポーラーカーブ
 
 翼の迎え角が変化することにより、揚力と抗力の比率が変化し、それによって滑空比や滑空速度も変化します。これをグラフにプロットしたものが、ポーラーカーブです。翼の揚力と抗力の比率が最良になる速度を最良滑空速度といいます。パラグライダーでは無風であれば、ブレークコードをほとんど引かない状態か、アクセルを20%程度踏んだところが、最良滑空速度になるように設計されています。このため、無風のコンディションでフライトしているときは、最良滑空速度でフライトするともっとも効率よくフライトできます。
ポーラーカーブ3

 最良滑空速度は風によって、変化します。上の図のように、向かい風や下降風の際はアクセルを踏んだりして、速度を出したほうがよく、追い風が上昇風では最小沈下速度程度に速度をゆっくりにしたほうがよいといえます。ただし、風が荒れているようなときや対地高度が低いときはアクセルを踏んだり、ノーブレークにすると翼が乱気流で大きくつぶれるリスクがあるので、注意が必要です。パラグライダーのフライトでは最良滑空速度よりもまずはつぶれないように、グライダーをコントロールすることが優先です。

パラグライダーの航空力学 その2

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 パラグライダーの航空力学その2、今回はパラグライダーの安定性について考えてみましょう。パラグライダーが安定して飛ぶためには、ピッチ、ロール、ヨーに対しての安定性が必要になります。 
スパイラル3

 パラグライダーのピッチ、ロールには重心が下にぶら下がっていることによって、振り子安定が働いています。振り子安定によって、ピッチ、ロールは上の図のように、傾いた状態になると、重心が空力中心の下に戻ろうとする復元力が働きます。復元力だけだと振り子運動が続いてしまうので、空気抵抗などで減衰力が働くと、ピッチもロールも傾きのない状態に安定していきます。
camber1

 ピッチに関しては空気力学的な安定性もあります。上の図のように、通常のパラグライダーでよくあるのは2の翼のキャンバーが上に反っている形で、揚力を効率よく発生させる設計に多くみられます。この形の場合、ピッチの特性としては迎え角が小さくなると迎え角を下げようとし、迎え角が大きくなると迎え角をあげようとする不安定なモーメントが働きます。
 モーターパラグライダーなどでは4の形でリフレックス翼という断面形を採用しているものもあります。この形の場合、キャンバーが前側では上に反っていますが、後ろ側で下に反っているので、これがピッチを安定させる水平尾翼の役割を果たし、ピッチが上がるとピッチを下げようとし、ピッチが下がるとピッチを下げようとする効果をもたらします。
ナイロンロッド

 このリフレックスと同じような働きをすると言われているのが、最近よくあるナイロンロッドやシャークノーズの入ったリーディングエッジです。リーディングエッジの丸い部分にナイロンロッドを入れることにより、迎え角が大きくなった時には迎え角を下げるように、迎え角が小さくなった時には迎え角を大きくするように働きます。
 しかし、これらの空力的な安定性や振り子安定による安定性もすべて限界があります。乱気流やつぶれ、失速に入った時などは、急激なシューティングを起こしたり、グライダーによってはローリングの動きが続いてしまったりする場合もあります。個々のグライダーの特性については、グラハン練習をしたり、穏やかな風の時に少しずつ試したりして理解していく必要があります。

パラグライダーの航空力学 その1

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 パラグライダーの操縦や安定性の原理を理解するための航空力学を考えてみましょう。パラグライダーはどのような原理で飛べるのか、どのような力学特性で操縦しているのかを考えてみましょう。
力のつり合い

 パラグライダーは力学的な力のつり合いとしては、パイロットの体重に装備を加えた全装備重量分の重力に対し、上方向に空気力という力が働いて、作用反作用の関係でつり合っています。空気力はいわゆる揚力と言い換えてもよいのですが、翼から発生する空気力学的な力で鳥や飛行機と同じく、翼が空気中を前に進んで空気を下に押し下げることによって発生します。
LIFT

 揚力の発生する原理は上の図のように、翼の前から後ろに流れる空気が上面で流れが速くなり、ベルヌーイの定理によって、圧力が低くなります。この上面の圧力低下と下面の圧力上昇によって、上向きへの揚力が発生します。パラグライダーの場合、斜め下に滑空しながら飛んでいるので、空気力のうち滑空方向に垂直に働く成分を揚力、滑空方向と反対方向に働く成分を抗力に分解します。最初の図からもわかるように、揚力と抗力の比率が滑空角に影響することがわかります。揚力に対して抗力の比率を減らしたほうが、滑空比が良くなることがわかります。
 パラグライダーの前進力は重力に比例するため、重力が一定であれば、前進速度も一定になります。ノーマルタイプのパラグライダーだと、ブレークコードを操作しないときの前進速度は時速30km程度、沈下速度は毎秒1m程度になります。ブレークコードを引いたり、アクセルを操作したときには、迎え角が変化し、これによって揚力と抗力の比率が変化するため、前進速度や滑空比が変化します。
断面形

 パラグライダーの翼の断面形は最初の図のような流線形になっており、空力中心という空気力と重力が釣り合う作用点はおおむね前から25%程度の位置にあります。これは、尾翼のない滑空機には特に重要なことで、空中で失速した場合も重心が前にかかることによって、翼が前進して滑空状態を回復できるようになっています。またパラグライダーは翼の空力中心の下に、重心であるパイロットがぶら下がることによって、振り子安定があるので、翼の迎え角が一定に保てるようになっています。
 パラグライダーは以上のような原理で、飛行機と同じく翼で飛んでいますが、速度がゆっくりで安定性が高いため、初心者でも比較的操縦しやすくできています。

フライトプランの作り方 その7

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フライトプランの作り方その7、今回はスパイラル練習のフライトプランについて考えてみましょう。スパイラルの練習はフィギアエイトの練習をしている人はイメージしやすいと思います。
スパイラル4

スパイラルと通常の旋回との大きな違いは、スパイラルは旋回が加速し、遠心力がかかることによって、振り子安定が働かなくなり、バンクがかかったまま水平飛行には戻らなくなります。グライダーや状態によっては、旋回が加速しすぎて、遠心力で見かけの重力が大きくかかる場合もあります。高度に余裕をもち、インストラクターから適切なアドバイスを受けながら練習する必要があります。
スパイラル1

スパイラルの練習をする場合は、対地高度を300m以上確保し、およその目安の周回の回数を決めて練習を始めます。初めての方は、1周だけで離脱、習熟して来たら2周、3周と増やしていきます。最終的には降下手段として、毎秒8mくらいの降下が安定してできるのが理想的ですが、初めから大きな沈下になるとリスクが高いので、少しずつ習熟していくようにしましょう。

 スパイラルの操作要領は、まず遠くに目線を置き、左右どちらか旋回方向を決めて、体重移動とブレーク操作をやや大きめにロールインの操作をします。90度程度でロールインが決まり、180度程度で旋回の加速が始まるのが理想的です。加速が大きくなりすぎないように、180度程度で外翼のブレークを10冂度引いて、バンクの維持に入ります。
スパイラル2

 ロールアウトする場合は、内翼のブレークを戻すか、外翼のブレークを引いてロールアウトのきっかけを作ります。ロールアウトのきっかけができると、バンクが大きく速度が速い状態から、バンクが小さく速度が遅い状態に戻るため、速度のエネルギーが上昇に変わって、グライダーが急激にロールアウトして、ピッチアップし、その後ピッチダウンするという動きを起こします。強いスパイラル旋回からロールアウトする場合は、急激にロールアウトしないようにする操縦をしたほうがより理想的です。
 ロールアウトをゆっくりにするためには、ロールアウトのきっかけができたら、もう一度内側のブレークを引いて、急激なロールアウトが起きないようにします。ここでも、フィギアエイトと同じく遠くに目線をおき、ライザーを通して地平線をみるようにして、バンク角とピッチの動き、スピードの変化や遠心力のかかり方を把握しながら、操縦するということが重要です。
 スパイラルは降下手段として、練習することも重要ですが、旋回の基本的な原理として、旋回が加速することがあり、その傾向を把握しながら操縦するという意味で、サーマルソアリングや高度処理など幅広く使える旋回技術の応用としても役立ちます。

フライトプランの作り方 その6

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フライトプランの作り方、今回はフィギアエイトのフライトプランについて考えてみましょう。フィギアエイトはバンクをかけた360度旋回を左右に切り返して行うもので、旋回技術のレベルが顕著に出る演技です。
フィギアエイト2

フィギアエイトの操作要領は、左右どちらかの360度旋回をはじめ、バンクがかかってきたら、外翼のブレークでバンクがきつくなりすぎないように調整し、360度回ったら、ローリングするような要領で反対方向に切り替えして同じように360度を旋回します。パイロットコースレベルでは合計時間が28秒程度、エキスパートレベルなら24秒程度を目指します。
フィギアエイト1

フィギアエイトを練習する場合、360度旋回との大きな違いは旋回のバンク一定、速度一定といった部分を自分で厳密にコントロールしなければならないといった点です。特に旋回の切り返しの前後のバンクと速度のコントロールが重要になります。
 
 失敗しやすい事例としては、早く旋回しようとしてバンクがきつくなり、切り返しの時点でスピードが速い状態からロールアウトして、ピッチアップして次の旋回に入れなくなるといったことがあります。これは速度のエネルギーが上昇のエネルギーに変換されるためで、スパイラルの練習でもよく見られます。旋回のバンクが一定になるようにして、ロールアウトから次のロールインにつなげる操作が必要です。

 パラグライダーは旋回する際に、比較的簡単にロールイン、ロールアウトの操作ができます。フィギアエイトは旋回のバンクをきつくしていったときに、ロールイン、バンク角の維持、ロールアウトといった操作を状態に合わせて、操作するという技術が求められます。特に目線を遠くにおいて、バンク角とピッチを見ながら操作していくということが重要になります。

フライトプランの作り方 その5

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フライトプランの作り方、その5今回はローリングのフライトプランについて考えてみましょう。ローリングはピッチングと似ていますが、左右のブレークを交互に引くことで、ピッチ、ロール、ヨーの動きを起こすので、より複雑で練習と理解が必要です。
ローリング2

ローリングは左右のブレークをピッチングと同じくらいのタイミングで交互に引いたり解放したりします。その際に体重移動を先行させて、急な旋回操作をするような要領で、体重移動してブレークを引き、解放、反対方向に体重移動してブレークという操作を繰り返します。

ローリングのありがちな失敗例としては、反対側に切り替えるタイミングが遅く、ロールの振り子にならず旋回になってしまったり、体重移動が適切に入らずロールが起こらないといったことがあります。また、ローリングのタイミングがあってくるとバンクが大きくなって、翼がつぶれる場合もあります。

ローリングを練習する場合は経験の少ない人はピッチングと同じく、対地高度を300m程度以上取り、インストラクターの無線アドバイスをよく聞きながら練習するのがよいでしょう。ピッチング以上の習得は難しいですが、これもグライダーコントロール技術の上達につながります。

ローリングを動かす力学的な要素はピッチングと似ていますが、1.振り子安定、2.左右のブレークで迎え角を変えることによるロールとヨーの動き、3.体重移動による左右のロールの動き、4.速度が変化することによるエネルギー保存の法則、といった要素があります。
ローリング1

このうち、体重移動とブレーク操作のタイミングがもっとも重要なポイントになります。このタイミングを見極めるためには地平線に目線を置き、ライザーを通して地平線を見るような形で、目標方向とグライダーの傾きの変化を見ながら操作のタイミングを計ります。上の図のように、軸線の目標を決め、そこから左右に45度ずつくらいにサブ目標を決めて、タイミングを計るとよいでしょう。



フライトプランの作り方 その4

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フライトプランの作り方その4、今回はピッチングの練習について考えてみましょう。ピッチングはパラグライダーの揺れの動きを理解する上では大事な要素です。ピッチング、ローリングなどの動きを理解することは、グライダーコントロールの上達につながります。
ピッチング1

ピッチングは上の図のように、クライミング、サーチ、アクセレーションの3つの動きが連続的におこっているといわれます。両方のブレークコードを引くと翼が上を向いてクライミングがおき、翼が後ろで止まったところからブレークを開放すると、前へのサーチがおき、その後パイロットが翼を追いかけるように加速するアクセレーションがおきます。

操作は単純にいえば、ブランコをこぐときのようにグライダーの前後の動きに合わせて、ブレークコードをひいたり解放したりすればよいわけですが、詳しく力学的な要素を考えてみると意外と複雑です。また、ローリングや旋回理論を考える上でも詳しく理解していくことが上達につながります。

ピッチングの力学的な要素を考えてみると、1.振り子安定、2.翼の迎え角を変えることによる空力変化、3.速度を変えることによるエネルギー保存の法則。1の振り子安定はブランコと同じなので、イメージしやすいのですが、2と3は翼独自の特性もあるので、繰り返し練習と理解が必要です。

ピッチングを行う場合は、まず対地高度を300m程度以上とり、風の安定しているときに行うのがよいでしょう。サーマルなど乱流がある場合はグライダーが自然に揺れてしまって、演技が難しくなります。ピッチングのありがちな失敗例としては、ブレークを引くタイミングが悪く、揺れなかったり、逆に揺れすぎてしまったりということがあります。

ミスに対する対策としては、対地高度200m程度になったら終了する。初心者の方は無線の送受信をよく確認し、無線が聞こえにくいときなどは中止する。翼の傾く角度を地平線に対して30度を超えてくるようなら中止するといったところでしょう。





フライトプランの作り方 その3

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フライトプランの作り方、前回その2ではSHELLモデルに基づくリスクの予測を考えてみました。今回は、スタートチェックについて考えてみましょう。
スライド61

JPAのスタートチェックはテイクオフ前の最終チェックを行うものです。項目は、パイロット、ライン、キャノピー、空域、風の5項目を順に行います。プレフライトチェックは当然この前に、手順通り準備を進めながらチェックをする必要があります。スタートチェックはそれを補完し、自分の身体の周囲から風の状況などを確認するためのものです。
 
項目別にみてみると、パイロットはハーネスのベルト、無線機、ヘルメットなど。ラインはブレークラインのからみ、アクセルの付け忘れなど。キャノピーは、キャノピーが風向きに合わせて広がっているか。空域は周囲のグライダーの接近など。風は、風向風速、風の安定度など。 
IMG_3454

どれもプレフライトチェックで確実に準備しておくことが重要ですが、これらの項目の中で忘れるとリスクが高いのはハーネスのベルト、無線機、ブレークラインの手元でのからみ、周囲のグライダー、風向風速などです。これらを忘れずに最終チェックするという意味で、スタートチェックがあります。

パラグライダーは一度テイクオフしてしまうと、ランディングするまで止まることができません。フライトプランは当然、テイクオフからランディングまで予定外の事態になった時まで含めて考える必要があります。スタートチェックはそのような意味で、テイクオフ前にもう一度自分の装備や周囲の状況を確認するためのものです。
IMG_3478

エリアによってはクロスチェックを推奨しているエリアもありますが、パイロットの自己責任でプレフライトチェックを
行った後、クロスチェックはそれをサポートする程度のものです。そのようなわけで、スタートチェックを確実に行うように習慣づけることが重要です。特に、テイクオフ後にブレークラインが絡まっていた、ハーネスのどこかが外れていたなどのトラブルを経験したことがある方は、自分でもプレフライトチェックとスタートチェックの手順をよく見直してみましょう。

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